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カメラを止めるな!」をやっと見た。評判通り面白かった。帰りの電車では堀江敏幸「曇天記」を読んだけれど、疲れていたからかあまり頭に入ってこなかった。本当は大好きなのだ。最寄駅からの歩きでは、最近聴いているラジオ「学問のススメ」の都甲幸治さんの回を聴いた。なんだかむちゃくちゃ馬鹿なことを言っているようで、核心をついた言葉を持っている人はずるいなあと思うが、その「ずるさ」こそ文学の役割だったりする。逆に当たり前のことをさも大事なことのように話す人だって、その落差自体に実はむちゃくちゃ意味があるんじゃないか。つまり、物事の本質は表面には全然あらわれなくて「なんで?」とか「あれこの人嘘ついてる?」とか疑ってかかる、想像力を巡らすことができるから。そういう思考の厚みみたいなものをもたらしてくれるのが芸術や文学の役割で、「芸術的な人」ってそういう人だよなとおもう。と思ったのも、たぶん映画世界が何度もひっくり返る映画を観たからで、なんだか恥ずかしいので風呂に入って寝る。