2017-01-01から1年間の記事一覧

真っ白な天井

本を読む気分でもなくて、何をするでもなく真っ白な天井を眺めた。部屋には僕一人だ。スピーカーの充電も切れた。寝そべったまま深呼吸すると肩に力が入っていたことに気付く。そんなことがよくある。 楽観的というよりは悲観的な人間だと思う。明るいという…

自然でいること

書いては消して、書いては消してを気が遠くなるほど繰り返して、こんなに時間が経っていた。日記に腰を入れる必要なんて全くない。何事も発信しなきゃ始まらないよ、と誰かが言った。未熟な部分も誰かが愛してくれるよ、と誰かが言った。そもそも誰も気にし…

一日の終わり

今日は久しぶりに体調を崩してしまって、朝から晩まで家にいた。外はずっと暗かった。台風が来るらしい。ただ寝ているだけだと悲観に向かいそうな体を必死で起こして、本と服で散らかった部屋の片付けをした。時間が経つのはすごく早かった。 「長い目で見る…

六畳の夜

昔から寝つきが悪い。それゆえに、夜が苦手だ。夜が更けるにつれて、感情のわだかまりが姿を見せ始め、そのわだかまりの正体が一体何なのかもわからずに、ひたすら不安が押し寄せてくることがある。不安はそれが不安だと意識すればするほど大きくなって、頭…

最高の今を打ち鳴らせ

ワンマンが終わって一週間が経って、ようやく自分の中で気持ちが落ち着いてきた。ステージに立った時の感動があまりにも大きすぎて、その余韻をずるずると引きずってここまで時間が経ってしまった。来てくださった皆さん、いつも支えてくれる皆さん、何はと…

夏蝉

時間を咀嚼するように窓の外を眺めていた。取り残されるのはいつだって自分のせいだ。蝉は数日で死んでしまうのに、ほとんど鳴いている姿しか見ない。精一杯鳴いているのを見て僕らは何を思えばいいんだろうと考えてみたけれど答えは出ない。数日間の儚さを…

若者

暇になるとあれこれと意味もなく悩んでしまうので、ああ自分はまだまだ若いなと思う。電車に長く揺られる時は暇潰しに読書をするのがいいし、額が汗ばむ夕方は風呂に入るのがいい。堂々巡りの夜は腹を決めて泣き寝入るのがいい。悲観はそれだけで簡単に楽観…

表現

ずっと表現者に憧れていた。それ以外の何にも憧れなかった。 「音楽を作りたい」「文章を書きたい」とか、そんな単純なことではなくて、「表現者になりたい」というのが自分の願望の根底にある気がする。それは何というか、自意識が膨らみまくってるわけでも…

敗退

三度寝から目覚めても特にすることがなくて、買っただけで読めていない本に手を伸ばしたけれど数ページで敗退。忙しい時にできないことは時間があってもできない。曲だけはいつでも作れるということにしておきたい。仕方なく着替えて外に出たけれど祝日の街…

春の話

背負ったギターケースの匂いも、新宿の人混みも、無理して頼んだコーヒーも、全部春の匂いな気がしてなんでだろう?と思っていたけれど、ただ単に冬の間し続けていたマスクを外したからだった。気付いたらもう既に、冬の寒さを忘れている。暑さにも寒さにも…

上京

新宿に向かう電車の中で、東京のことを考えた。 タイトルに上京という名前をつけたけれど、僕は上京を経験したことがない。生まれてこの方、ずっと東京で暮らしてきた。それがいいか悪いかは別にして、そのせいで経験しなかった感情が沢山あると思えて仕方な…

冬が好きだ。 真冬の、しかも最も寒い時期に生まれたからかもしれないけれど、冬になると毎年心が躍る。冬という季節は、受験や冬眠のイメージからか一般的にかなり悲観的に見られているけれど、僕は全然そうは思わない。たしかに、夏のはじけるようなイメー…