20230716-20230722

2023年7月16日(日)

 昼から仕事をして、それから長い距離を車の助手席に乗って走り、深夜に家に帰った。帰った時には精神も体力も疲れ果てていた。何も考える気が起きず、この日記は次の日に書いている。

 僕は3人以上の集まりで話をすることが苦手なのかもしれない。そしてそこに、場を制圧する、というか、場の雰囲気をある一定の方向に持って行きたくて「こういうことをお前には言ってほしい」と思っている人がいると尚更、上手く喋ることができなくなる。本人にはきっと、そうした圧力を与えている自覚がないのだろうけれど。

 その場の「ノリ」に自分を合わせる時には、自分がその内容についてどう考えているか、ということに関しては基本的に度外視しないとその場に順応ができない。僕がどう考えていようと全体の話の流れはある一定の方向に向かっていて、僕が選び取る言葉の選択肢は極限にまで狭められる。時々そうした場でも、自分の思っていることを素直に発せられる、いわゆる「空気の読めない」人がいて、僕はそういう人に対してこそ尊敬と羨ましさを感じるのだが、そういう人はあるコミュニケーションの場では軽んじられ、揶揄の対象となる。そういう人を標的にして、みんなで指差して笑うことで盛り上がったりする。そうやって話を一定の方向に持って行って盛り上げる人がいることの必要性もわかっているつもりだが、どうしてもそういう場にいると、そこに隠れて横たわる暴力性のようなものの方に意識が向いてしまって、僕としては、上手く言葉を発することができなくなってしまう。

 色んな人がいて、色んなことを思っている。それはある程度社会で暮らしていれば皆が認識できることだと思うが、その認識を外に向けて発するやり方もまた、人それぞれだ。場を制圧しようとする人はその人なりに、みんな違ってみんな良い、ということをわかろうと努めている(はずだ)が、それを「その人を指差して笑う」というやり方で自分の意図するコミュニティのあり方に参画させようとするやり方は、あまりに暴力的すぎる。僕はそうしたやり方に対しては、ちゃんと反対の意志を示したい。具体的に言うと、「空気が読めない」では無く「空気を読まない」という積極的な態度を表明できるようになりたい、と本音では思っている。だから「何も言わない」という姿勢を通してこそ何か伝わることがあれば良いな、と思うのだが。上手く伝わっているだろうか。

 そうは言っても、本当に「みんな違ってみんな良い」と思っているのであれば、そういう暴力的なやり方でしかコミュニケーションができない人に対する理解も得られる必要があるはずで、僕はここまで批判的に書いてきて少し反省しているのだが、やはり3人以上の集まりになるとある程度それぞれが自分のあり方を自制しながら向き合わなければ成り立たないように思う。だからこそ、場を制圧しようとする人にもちゃんと反省してほしいし、僕もこうした考えに固執していることを反省しなければならない。僕は僕で、自分が「3人以上の集まりが苦手だ」という我儘に安住して、考え方が凝り固まっているのかもしれない。実はみんな結構楽しいのかもしれないし、それならそれで、僕が自分のあり方を自制できれば良い話だ。なんとなく、そうは思えないのだけれど。

 考えても考えても、考えることは尽きない。そして自分の感情を言葉にすればするほど、日に日に自分の考えに拍車がかかり、言葉が熱情的になっていく。それは暴力的とも言えるかもしれない。もうちょっとラフに生きた方が僕にとっても、周りにとっても良いのかもしれない。暑いからアイスでも食べて、一度頭を冷やそうと思う。

 

2023年7月17日(月)

 休み。けれどあまり遠出をする気になれなくて、近くの喫茶店でカレーを食べながら日記(と言うより後記)を書き、アウトレットモールに行ったけれど買い物はせず、家に帰ってからクーラーの前で鎮座しながらひたすらYouTubeを見た。

 怠惰に過ごしてしまったことを暑さのせいにしたかったけれど、冷たいシャワーを浴びたらなんだか心も身体も落ち着きを取り戻してしまって、意味もなく暗い気持ちになった。何もできなかったようで、何かはしていたのだ、そうやって無理やり信じ込んで寝た。

 

2023年7月18日(火)

 仕事に行った。夜は飲み会。みんな夏になると酒を飲みたくなるらしい。僕もそうだが、「僕もそうだ」ということを受け入れることがなんとなく嫌だった。いつからこんなに捻くれてしまったのだろうか。

 

2023年7月19日(水)

 仕事に行った。家に帰ってから何をしたのか、全然覚えていないけれど、何かしらはしたはずだった。毎日大体そんな感じだ。

 坂本龍一を聴いて、ピアノを弾きたくなって、少しだけ弾いた、と思う。弾きたくなって良かった、と思った。

 

2023年7月20日(木)

 仕事に行った。感情の無い空っぽの肉体が、ただ動いていた。

 

2023年7月21日(金)

 出張で仙台に行った。感情が溢れてしまって、詩を書いた。

 

2023年7月22日(土)

 出張先で仕事をした。帰り道にハンバーグを奢ってもらって食べた。ただそれだけで、嬉しかった。