最高の今を打ち鳴らせ


  ワンマンが終わって一週間が経って、ようやく自分の中で気持ちが落ち着いてきた。ステージに立った時の感動があまりにも大きすぎて、その余韻をずるずると引きずってここまで時間が経ってしまった。来てくださった皆さん、いつも支えてくれる皆さん、何はともあれ本当にありがとうございました。

 ワンマンをやると決めた時、僕は恐ろしく不安だった。集客の不安ももちろんあったけれど、それ以上に、楽しんでくれる人、楽しめなかった人、それらすべてが僕らの一挙手一投足にかかっていることが、怖くて仕方なかった。正直に言ってしまえば、そんな重役を務める器量に自信がなかった。
 「やってみなきゃわからない」ことがあるにしろ、それで誰かの好意を踏みにじるリスクがあるのならきっと挑んではいけない。わかってはいながらも、ワンマンの開催を決めてしまったのはきっとどこまでも僕らのエゴだった。

 それでも蓋を開けたら、演奏が終わるたびに本当に大きな拍手が僕らを待ってくれていた。たくさんの笑顔が僕らの演奏を見守ってくれていた。それが何よりの救いでした。僕らが笑った時に一緒になって笑ってくれる、僕らが泣きそうな時は一緒になって涙を流してくれる、そんな存在がいることは、僕らにとって幸せでしかない。

 だけど、ワンマンが終わってみて、なんだか急に落ち込んでしまった。当たり前のことを僕は忘れていた気がする。きっと来てくれるあなた達一人一人がとてつもない努力を注いでいる場所は、誰からも拍手をもらえない場所だったりする。誰からも見えない所で泣いている人だってたくさんいる。そんな中で僕らだけが拍手をもらえることに、なんだか抵抗を感じた。というか、これに対して罪悪感を感じていなければ自分は駄目になると思って、たくさん考えた。
 僕らは結局、努力したことも辛かったこともそれ自体が曲やライブという形になって、みんなに届けることができる。それが当たり前になっちゃいけないな、と思う。拍手をもらえることに甘えてしまう自分も、それに対してありがとうとしか言えない自分も、なんだか情けない。

 恩返しをするなんてエゴだとはわかっているけれど、どうしたら僕らのありがとうがみんなに伝わるのか、考えて考えて、これからも曲を作ってライブをしたい。来てくれなければ、聴いてくれなければ始まらない、そんなことわかっているけれどそれ以上に、当たり前のように来てくれる人たちを絶対に大事にしたい。僕らはサービス業ではないし、どこまでもただの人間でステージから降りたらたくさんあなたに迷惑をかけるかもしれない。それでも、それでも。死に物狂いでいい曲を作って、いいライブをしたい。それは他ならぬあなたに感謝を伝えたいから。心の底からそう思います。見えない所でもたくさん泣いて、たくさんすり減らして、メンバー全員で肩を組んで、それで見てくれる皆さんにたくさん報いたい。そう思えたのは、来てくれるあなた達一人一人のおかげです。
 絶対、もっともっと頑張ります。いつもありがとう。これからもActlessを宜しくお願いします。

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