1219

人生に優劣はない。価値判断はその人次第。誰かがこうだから、とか誰かにこう言われたから、とか、一切気にするな。結局それが、幸せになる近道だ。

と言われたところで、今まで勉強してきたこと、生きてきた社会、築き上げてきた関係、地位、その他生活を営むに最低限の努力は、これと真っ向から対立したところにある。つまり、僕らは常に周りを見て順応しなければ生きていけない。というか、そうやって生きなければ自分すら存在し得ない。だって自分の個性、価値観、そんなものは周りの人がいなければ絶対に成り立たないから。全ての欲求に忠実に生きているわけではないから。僕らは社会の中で生きている人間だもの。

じゃあどうしたら幸せになれるんですか。その問いの答えはきっと永久に知り得ない。誰も知らないし、別に誰も本気で知ろうとはしていない。だけど少なからず、僕は本を読んだり音楽を聴いたり映画を見ている時に、その答えへ向かう道筋を見出すことができる気がする。そこには理想よりもっと素敵な現実があり、決して正解ではない正しさがあり、忙しく生きる中で忘れていた優しさがある。こうした胸のうずきに気付いた時、僕はほんの少しだけ胸を張って生きることができる。