敗退

三度寝から目覚めても特にすることがなくて、買っただけで読めていない本に手を伸ばしたけれど数ページで敗退。忙しい時にできないことは時間があってもできない。曲だけはいつでも作れるということにしておきたい。仕方なく着替えて外に出たけれど祝日の街に敗退。みんな幸せそうなことは別にいいんだけれど自分も十分幸せなことになぜか苛立つ若者は吉祥寺で下車、いつ来ても客がいないモスバーガーは相変わらず客がいないけれどいつ客が来ても準備万端です という雰囲気、敢え無く敗退。何を創作したいのかわからないのに何かを創作したい。空腹こそが芸術だ。腹が満たされたら何も書けない。燻りも拘りも満腹に負ける。自我を磨くよりも人と出会うことだ。ロマンなんて所詮自己愛だ。幸福は馬鹿だ、と言っていた僕はきっと手にした瞬間に価値観を変えてしまう程の凡才だ。凡才が非凡であるために歌を歌うのに非凡であると言いたがるほど凡才で終わることに気付いたのはここまでペンを走らせた後だった。チェックメイト。敗退。