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昨日は一日休み、朝から友人と連れ立って品川の原美術館で「ソフィ・カルー限局性激痛」をみた。品川駅から離れた閑静な高級住宅街の中にひっそりとあらわれる原美術館は、「そこに行く」という行為だけでもう立派な芸術体験になるようなものだったが、ここも今年で閉館してしまうらしい。展示は、極力無駄な装飾や説明を排しながらも、二階では過剰なほどの文字に溢れて作家の内面吐露が表現されていて、作家本人の表現に対するストイックさ、またその熱量を受け止めさらに高めようとした美術館の士気に純粋に感動した。何かを表現するということは、少なからず身を削るものだ。ソフィ・カルは自分の失恋体験を何度も何度も内なる冷ややかな目で見つめ直し、対話し、その自己との対話を他者との対話に仮託してもっとも伝わる表現を導き出した。それは、想像を絶するパワーを必要とすることだ。そう考えた時に、この展示は僕の中ですごく意味のあるものになった。

 

気付いたら一月が終わってしまう。最近は、何も果たしていないのに毎日が過ぎて行ってしまうことを「仕方ない」と思える自分自身に少し焦りながら生きてる。