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滝口悠生ジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンス」を読んだ。読みながらも、読んでいるという記憶があちこちに飛んで行く感覚だった。過去の自分は、今の自分が何を考えているか知らない。だけどもしかしたら、今の自分が「過去の自分がそう感じていた」と思っていることも今の自分がそう考えているだけのことなのかもしれない。「思い出す」という行為自体が既に今の自分を媒介しているから、その時その時に得た感情は絶対に取り戻せない。じゃあ、今僕が感じていることは、次の瞬間には一体どこにその意味を見出せばいいだろう?