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マンチェスター・バイ・ザ・シーの中で、父親を亡くした息子が冷凍庫の中の肉を見ただけでパニック障害を起こし、それを主人公がなだめる場面があるのだけど、僕はそのシーンがすごく好きだ。こういうことを言うと、「人の不幸が面白いなんて変だ」とか「そんなシーンの何がいいのか」と言う人が少なからずいるけれど、逆に僕は、そういう場面を見て何かを感じること、考えることが、生きる上ですごく大切なことのような気がしているだけだ。むしろそういう映画を見た時に目を背けてしまうこと、再生を止めてしまうことこそ、映画にとって不幸だし悲しいことな気がする。そしてそういう見方を変えれば、もっと人生は豊かになると勝手に思ってる。まあ、人それぞれ好きに生きればいい。